「琴葉、前俺言ったよね?琴葉のこと何でも知りたいって!」
「17時半まで当番だからさ、遅いの心配だから送ってくれてる…というか、なんというか」
「もっと早く言ってくれてたら、俺が毎週迎えに来てたのに!」
「過干渉」
思わず踏み込んでしまった。
胡桃の色が、霞んできてしまっていた。
許せなかった。
俺の世界を、染めてくれた胡桃を、何故そうやって壊そうとするんだよ。
「は?」
「きもいよ、お前だいぶ」
「なんなんですか…」
「彼女の何でも知りたいって、だいぶきもい。隠したいことのひとつやふたつあるでしょ」
「はあ…?なに、あなたのことが疾しい存在とでも?」
「さあ?」
明らかに彼氏は嫌そうな顔をした。
あからさまな敵意を俺に向けた。



