高校2年生の春。
放課後、空き教室に集まり、いつもの通り図書委員の説明会に参加する。
慣れたものだ。
肘をついて、聞き飽きた説明を聞き流す。
さっさと当番のペア決めて帰りたい。
教卓の箱からくじを引いて、席に着く。
隣に座っていたのは、大人しくて引っ込み思案そうな女子生徒だった。
ふーん。
あまり興味無いが。
「各自、自己紹介してください」
委員長が前に立って指示する。
緊張した様子のその女子生徒は、俺に体を向けてくる。
「2年、茜部瑞稀」
目だけその女子生徒に向けた。
めんどくさい。
「えっと…1年の胡桃琴葉です。1年間、よろしくお願いします」
「うっす」
終わったか、はあ。
机に突っ伏した。
だりぃ。



