心の彩-ココロノイロ-


エスカレーターでホームに上がり、電車を待つ。

来た電車に乗り込むと、椅子は点々と空いてる程度で、並んで座るのは無理そうだった。


「座れば」

「いや、5駅くらいならいいですよ」

「体力温存しとかないと、帰りしんどいぞ」


何か考えたらしい胡桃は座り、俺はその前に立つ。

乗り継ぎの電車は空いていて、隣に座る。


「ところで、先輩の用事って?」

「ただ学校の用事だけで帰るのも嫌だろ。だから、昼飯でもどうだ?」

「あー、今手持ちそんなに無くて…」

「俺が勝手に誘ったから払う」

「いや、いいですいいです」

「バイトしてるから気にすんな」

「え、でも…」

「礼がしたいなら、俺のコーディネートでも組んでくれ」

「服?」

「いつも同じようなのしか着ないから、何か女子目線で組んでほしい。それが2個目」

「分かりました」