帰り道、俺は胡桃に話しかけた。 「胡桃、土曜のことなんだけど」 「はい」 「寄り道しないか」 「寄り道、ですか?」 「俺の用事付き合ってくれよ」 少しでも長く、休みの日に胡桃と共に時間を過ごしたかった。 昼食と、それから…胡桃の好みの服を選んでもらいたかった。 「いいですよ?」 「決まりな。ああ、本屋から近いから、余計な交通費はかからない」 「承知しました」 いわゆる、胡桃とのデート。 取り付けてやった。