17時半、いつものように胡桃を送る。
「そういえば、LINE交換してなかったな。してもいい?」
「いいですよ」
「他愛ない話題でも、彼氏の愚痴でも、何でも送ればいい」
「彼氏の愚痴なんかないですよ…って、何で彼氏いるの知ってるんですか」
「体育祭の終わりに、一緒にいた感じ良さそうなイケメン、あれ彼氏じゃないの」
「ああ…。そうですね、彼氏です。茜部先輩は、彼女いないんですか?」
タイムリーな話題振ってくんなよ。
「気になる人はいるけど」
「え、私と帰ってる場合じゃないですよ!」
鈍感か、気付く様子はない。
分かってはいた。
「叶う確率低いから、いいんだよ別に」
「えー、諦めたら叶う恋も叶わないですよ」
さすがの俺も困り顔。
今すぐ告白してやろうか?



