心の彩-ココロノイロ-


放課後、


「おつかれさまです」

「おつかれ」


ガキかよ。

あからさまに機嫌悪く返してしまった。

気まずそうに、俺の横で俯いた。


「本棚の整理行ってきます」

「ああ」


俺から逃げるように、本の片付けに行った。

なんなんだよ俺。

溜め息をついた。


1時間弱、胡桃は慣れない広い図書室をウロウロしながら片付けていた。

受付から見える本棚で、思い切り背伸びをして、入れようと奮闘している。


「ふんっ…!ふんっ!」


なーにやってんだよ。


「ふんっ!ふんっ!」


小柄な胡桃にとっては地味に届かないのか。

可愛く見えて仕方なかった。