心の彩-ココロノイロ-


体育祭が終わり、次の図書委員。

まさか、後輩に会いたくないからと行かないわけにはいかず、当たり前に図書室へ。


「茜部先輩、おつかれさまです」

「おつかれ」


後ろから声がして、振り返りもせず返した。

何も知らない胡桃は、平然としている。


「こないだの体育祭の時、ありがとうございました」

「…ああ」

「もしかして、ご友人に何か言われたりしました?」


意味の分からない方向で心配された。


「別に」

「いや、でもなんか、目逸らしたり…」

「ここ図書室、私語慎め」


いやに腹が立った。

俺に気があるわけでもないくせに、何俺の機嫌取ろうとしてんだよ。


「…ごめんなさい」


そう言って俺の横に気まずそうに座る。