毎日が灰色で、つまらなかった。

そんな俺の世界を、輝かせてくれるのは、たった一つ小説だけだった。

現実とは違った色を見せてくれた。


小学校高学年から、ずっと図書係、図書委員だった。

当番じゃない日も、休み時間や放課後は図書室に入り浸り、休みの日は図書館に足を運び、本が好きな親のおかげで小説が充実している自宅でも、読書漬けだった。


小説から目を離すと、そこは灰色の世界が広がっている。

自分で言うのもなんだが、多少モテる方で、告白されることもある。

だけどその誰もが、俺の毎日を彩ってはくれなかった。