それでも皆、私に期待を寄せていた。
私も実は自分に隠された力があるのではないかと色々と試してみた。
しかし結局何もなかった……。
3ヶ月が我慢の限界だったのだろう。
役立たずの偽聖女のレッテルを貼られ、今こうしてポイっと捨てられたというわけだ。
「勝手に喚び出しておいて酷すぎない?」
そりゃあ私も随分と贅沢はさせてもらったけれど。
「せめて日本に帰してよ……」
綺麗なドレスは剥ぎ取られ、召喚されたときの高校の制服姿で私は途方に暮れた。
というか、ここは一体どこなのだろう。
視界に広がるのはどこまでも続く長閑な田園風景。
この3ヵ月、ずっと城で缶詰状態だった私にこの世界の地理なんてわかるはずもなく、今ここがどこなのか全くわからない。
国から出ていけとこの場に放っていかれたということは、国境辺りなのだろうか。
(これからどうすればいいの……?)
とにかく、ここにずっと突っ立っていても仕方がない。
私は舗装なんてされていないその街道を来た方とは逆方向に進むことにした。
***
それからどのくらい歩いただろう。
そろそろ日暮れが近いようで辺りが薄暗くなってきた。
夕焼け色に染まる田園風景はとても幻想的で綺麗だけれど、この後のことを考えるとぶるりと震えが走った。
(今夜は野宿ってこと? てか、このあたりの治安ってどうなってるんだろう……)
夜行性の危険動物とか、野盗とか出てきたら一体どうすればいいのだろう。私に戦う術なんてないというのに。
急に死への恐怖が襲ってきて、私はぶんぶんと頭を振った。
……もう少し進めば、どこか人のいる村や街に辿り着くかもしれない。だって一応こうして道があるのだから。
そうして私は再び歩き出した。



