ありがとうの先に

あの日の言葉を探しているんです。

生きる理由って言うのを求めていた。

もしも、もう一度この家族に会えるなら
もう一度、愛おしい人に出会えるなら。

これ以上は何もいらない。
何も求めない。
明日が欲しい。平和な明日をただ望むだろう。

恋焦がれ、某7月の蝉時雨を聴きながら空を仰ぐ。

入道雲が空高く登り、もうすぐ盆が来る。

あぁ。墓に供える花を買わねばと足早に過ぎ去る日常。
いつか、君にも僕らが生きた日を語らねばなるまいな。

「おーい、おーい」

と、聞こえるその声に振り向けば、まだまだ平和な日常に顔が緩んでしまうほどの、友人が大振りの手を振りながら駆け寄ってくる。