今日は、近道して帰ろうか

「....遠回りねー。ふーん。そっかそっかぁ」

「なによ、その何か言いたげな目は」

「まぁ、たしかにぃ?ハナのしてることはぁ?かなりぃ?遠回りだと思うけどぉ?」



その語尾あげた喋り方、なんとかならないのか。



「私のしてることが遠回りって.....」

「だってハナ、椿くんのこと好きじゃん」

「なっ......!!」



なにを言い出すのか。


てか、周りに人いるんだから、そんなこと急に言うもんじゃないよ!!


と言いたいのに、なぜか口はパクパクと空気だけを吐き出す。



「見てればわかるよ?ハナ、他の男子とは全然話さないけど、椿くんとはめっちゃ話すし」

「そ、それは幼馴染だからで......」

「それに、告白されてもいつも断ってるじゃん」

「そ、それは、相手のことをよく知らないで付き合うのも違うかなって.......」


「知らないって言うより、知る気がないでしょ?」



うっ........。

痛いところをついてくる楓に言葉が詰まる。



そりゃたしかに、私は男の人をあまり知りたいと思えない。



小学生の時にクラスの男子にからかわれてから、すごく苦手に感じてしまうんだ。

私が平気な男の人は、お父さんと、椿と椿の家族だけ。


あとはみんな、うっすら苦手。



「あんまり遠回りしてると、他の子に取られちゃうかもよ?」

「取られるって、椿は物じゃないんだから......」



なんて言いながらも、確かに、最近椿がやたらモテてる噂を聞く。

高校入ってから急激に背が伸びたからかな。



「顔かっこいいからねぇ。運動もできるし。頭もいいしねぇ」

「え、身長じゃないの?!」

「え、ハナってば、椿くんの一番近くにいるくせに、モテる理由身長だと思ってたの??!」



だって椿は、身長以外に特別変わったところなんてない。

昔からずっと、椿は椿だ。



「ハナ、あのね、椿くんってすっごいモテ要素いっぱいなんだよ?

つまりね、のんびりしてるとあっという間に彼女とか出来ちゃうんだからね?」



やけに神妙な面持ちの楓に、私も思わずごくりと唾を飲む。







..................そうだったのか。

椿って、モテ男だったのか。

いつか、彼女ができるのか。

そうか。

いつか。

................そうか。