今日は、近道して帰ろうか






「つ、ばき......」

「ダメだった?」

「ち、ちが...っ。ご、合格って......」

「え?」

「.....受かったんだよ!!すごいよ椿!!」




私の目に映るのは、【合格】の2文字。

私の言葉を聞いて、紙に視線を落とした椿は、次の瞬間、私の体をぎゅっと包み込んだ。

何が起きたのか、頭の中は真っ白で。








「牡丹。俺、牡丹が好き」










耳元で、掠れた声がぽつりと零れた。


「え?」

「ずっと、好きだった。昔も今も。大好きなんだ」



これは、幻聴?

でも、たしかにその声は、私のよく知る、椿の声だ。

椿がそっと、私から体を離す。

そして、ようやく目が合ったと思ったら、椿は泣いていた。




「牡丹、好きだよ」




泣きながら、零す椿に、私の涙も伝播したように込み上げて、溢れる。



「合格したら、言おうって決めてたんだ」



やっと言えた、と椿は言う。


ズルいよ、椿。

私だって、私だって、伝えたいこといっぱいあったのに。



「う、うぅ..........っ」



言葉が詰まって、声にならないよ。