「牡丹。
今日は、近道して帰ろうか」
私の言葉が声になるより早く。
椿の声が私の元へと届いた。
「ち、近道?」
「そ。こっち」
椿に手を引かれ、私たちは正門とは真逆の方へと歩き出す。
今まで通ったことのない道を進み、わずか10分。
「え、家着いたんだけど!早!」
今までの半分の時間で、お互いの家の前へと到着した。
え、え、どうしよう?
椿に、これから離れ離れになるけど、大好きだから付き合って欲しいって。
遠距離だけど、彼女になりたいって伝えようと思ってたのに!!
もう、家の前なんだけど?
「牡丹、ちょっと待ってて」
「え?」
そう言って、自分の家に入ってく椿。
え、私ここにいればいいの?
っていうか、私の一大イベント何も完了せずに、家族に会うの全然嫌なんだけど!
「おまたせ」
そう言って、すぐ戻ってきた椿のペースのまま、私は椿に手を引かれながら、近くの公園へとやってきた。
「これ」
公園のベンチに座って、椿が私に封筒を見せる。
それはまだ未開封の白い封筒。
右下に、椿が受験していた大学の名前が入っていた。
それって............。
「今から結果見るから、一緒に見てよ」
そうだよね!そうだよね?!
合格発表のやつだよね?!
「え、私も見ていいのそれ?!」
「うん。一緒に見てて」
そう言って椿は、丁寧に袋を開封する。
なにこれ、めっちゃ緊張するんだけど。
自分の受験結果見るより緊張するんだけど!



