今日は、近道して帰ろうか

放課後、牡丹と遠回りした小学校で言われた。



『ちゃんと、行きたい進路を選んで。

どんな進路を選んでも、どんな人を椿が好きでも、私は椿のこと応援する』



元々、離れて頑張るつもりだったのに、牡丹の言葉に傷ついてる自分がいる。



『.............牡丹は、俺が一緒にいなくても平気なの?』

『椿がいなくても、私の気持ちは変わらないよ』



そんなこと、言わないでと。

思ってしまうのは我儘なのだろうか。




『......俺は平気じゃない』




情けなく掠れて、風にすら負けた小さな声は、牡丹の耳には届かなかった。


不思議そうにこちらを見る牡丹に、「なんでもない」としか言えない。

なかったことにするしか、できない。


そして、この日、俺の選んだ2度目の今が、過去と違うことを牡丹に知られたからなのだろうか。



1度目には起きなかった出来事。

牡丹を無理やりにでも消そうとするように。

牡丹目掛けて突っ込んでくる車。


もう、失いたくない。

その一心で伸ばした手は、今度はちゃんと牡丹に届いた。