今日は、近道して帰ろうか






「牡丹、大丈夫?」

「うん。もう元気」



放課後、今日も今までと同じ夕焼け。



「ねぇ、今日も遠回りして帰ろうよ」

「いいよ。どこ行く?」

「我らが母校!桜小学校!」

「ここから真逆じゃん」

「まぁまぁ、そう言わずにっ」



徒歩40分かけて辿り着いた、桜小。

私と椿の出会いの場。



「ねぇ椿、私ね、椿に話したいことがあって」

「どうぞ」



ずっと、言ってなかったことを思い出した。

椿が私を救ってくれたことに対するお礼。



「あのね、私、椿に何度も救われたの」

「俺なんかした?」

「うん。私がいじめられてる時、いつも助けてくれた。

放課後、私が1人にならないように、ずっと一緒に帰ってくれた」



そう。

私と椿が一緒に帰るようになったのは、椿が私をいじめっ子たちから守るためだった。



「椿がいたから、小学校も、中学校も、高校も、楽しかったの。

だから、ありがとう」



椿は人気者だったから、一緒に帰りたがる子達はたくさんいたけど、それでもずっとそばにいてくれた。



「家が隣だったからだよ」

「それでも、嬉しかった」

「.........っ」



それから、それからね。