今日は、近道して帰ろうか

「ちょ、よくわかんないけど、とりあえず空き教室行こ」

「う"ん"〜〜っ」



溢れる涙を止められない。


ねぇ椿、どうして。

もっと早くに言ってくれなかったの。


私があの時聞かなければ、好きな子にだけ伝えて、黙っていなくなるつもりだったの?

最低な自分にも嫌になるし、大切な幼馴染だと思っていたのは自分だけだったんだと知って胸が痛い。



あんなに進んで欲しかった時間が、今はただただ止まってほしい。

もう動かないで欲しい。




「ねぇ、ハナ」



空き教室に着いてからも、ずっと私の背中を摩ってくれていた楓のおかげで、少し呼吸も落ち着いた頃、

楓がまるで子供をあやすような、優しい声色で話し始めた。



「ハナがさ、なんで泣いているのか、私にはわからないけどさ」

「........うん」


「椿くんの恋を応援できなくても、私はね、最低なんかじゃないと思うの。

だってさ、好きな人の恋なんて、みんな心から応援できないよ。好きなんだから」


「...........好きな人?」

「好きなんでしょ?椿くんのこと」

「.......誰が?」

「ハナが」

「...........私が?」

「え?違うの?」



私が椿を好き?

そりゃ、人としては好きだよ。

幼馴染としても。

もはや、家族としてと言っても過言じゃない。


でも、この好きは、恋愛なのかと言われたら、答えは一気に曖昧で。