今日は、近道して帰ろうか






「ハーーなぁ?!」

「.........楓」

「どうしたのよ、そんな目を真っ赤にして!!」



8度目の金曜日。

朝、椿とこれから離れ離れになると思うと、涙が止まらず、瞼が腫れた。

そんな私の顔を見て、楓が心配そうに駆け寄る。



「誰に何されたの?!」

「いや、勝手にちょっとね」



ダメだ。

なんかもう優しく楓に抱きしめられるだけで、また涙が込み上げる。



「どうしよう、楓」

「何よ、どうしたのよ....」

「私、もう、椿の恋の応援できないよ」

「え、何の話?」

「私、最低だよ.......っ」



気づいてしまった。

自分の最低さに。


これまで、椿の恋を応援するなんて息巻いていたけど、それは椿が私の目に見えるところにいると思ってたからで。


話そうと思えばいつでも話せる。

お隣さんだもん。

なんて、そんな風に思ってたからで。


椿と離れ離れになるのがわかっていて。

椿が遠くに行っちゃうことがわかっていて。

私が椿と過ごせる時間だって全然多くないのに、放課後の時間まで、椿の恋のために渡したくないと、思ってしまった。

少しでも長く、一緒にいたいと。



もはや、このまま同じ時間を繰り返せば、椿とずっと一緒にいられるんじゃないか、なんて。

あまりに自己中心的で、最低な考えだ。



わかってる。

わかってるけど。