今日は、近道して帰ろうか

*




「椿!!」



いつもは、椿が迎えに来てくれていたけど、今日は私から迎えに行った。

なぜなら、早く話したかったから。



「え、珍し.....」

「いいからいいから!早く帰るよ!!」



驚いている椿を連れ、私たちは今日も帰路に着く。



「なんかあった?」


いつもと様子が違う私を不思議に思ったんだろう、椿が歩きながら聞いてくる。



「私ね、椿に聞きたいことがあって!」

「聞きたいこと?」

「そう」



隣を歩く椿よりも半歩前に進んで、振り返る。

すぅ、と冷たい風を吸い込んで、吐き出す。



そして、


「椿は、好きな人に告白しないの?」


私は問うた。



「え?」

私の言葉に驚いて、椿も立ち止まる。



「告白だよ、告白!好きな人、いるんでしょ?」

「なんで知ってんだよ」

「幼馴染だもん」



本当は、何度も今日を繰り返して知ったんだけどね。



「告白しなよ!」



繰り返して知ったこと。

椿はどうやらその子のことが、とってもとっても、


「好きなんでしょ?」


それから、椿とその子は、どうやらかなりいい感じ。

告白すればきっと付き合える。

椿に、初彼女ができる。



「告白は、しないよ」

「え、なんで?!」

「先に伝えなきゃいけないことがあるから」



はっきりそう言った椿は、ふいと私から顔を背けた。



「先に伝えなきゃいけないこと........?」


なんだろ。

それって、私は知ってる話なんだろうか。