今日は、近道して帰ろうか






「ハーーナっ」

「楓ぇ」



7度目の同じ朝。

変わらぬ日常。

訪れそうで訪れない冬が、やけに恋しくなってきたからか、私は楓に抱きついた。



「どうしたのよ?朝から。昨日はあんなに楽しそうなデ・ェ「全然楽しくないよぉ」



楓の言葉を遮って、私は隠しきれない落胆の声をあげた。



「椿くんと何かあったの?」

「昨日さ.......」



といってもこれは、楓には今日の放課後、まだ訪れてない未来の話だけども。



「椿の好きな人、聞いたの」

「え、マジで?!」

「うん。世界一可愛くて、でも芸能人じゃなくて、放っておけない子らしい」



椿とは別クラスだから、椿が誰を放っておけないのか、私は知らない。

だから、どの子か探り当てることができない。



「え、じゃあもう確定じゃん」

「楓わかるの?!」

「まぁ、そりゃねぇ.....」

「誰?!」

「私の口からは言えないよ」

「そんな.......あんまりだよ」



一番近くにいると思ってた幼馴染の私ですらわからないのに、楓が知ってるってことは、

もしかして椿はその子とすでにいい感じなのかな?


私、椿がモテてることも、楓に聞いて知ったし.....。



「まぁそう落ち込みなさるな!近いうちに椿くんが告白するかもしれないし」

「椿が告白.........」



でも、私が同じ朝を繰り返している限り、先へは進まない。

もしかして、今までの朝も別次元として何かしらの進展があるのかもしれないけど、それじゃあ私だけが進めない。