今日は、近道して帰ろうか

遠回りもせず家に向かう6度目の岐路。


私の言葉に反応する椿に、私は泣きたくなりながらとりあえず会話を続けることを試みる。

2回目に、ループの話をしても信じてもらえなかったから、日常を演じるしかないもの。



「もはやバグみたいに、ずっと同じ場面を繰り返してるの。全然先に進まない」

「RPG?」

「まぁ、そんな感じ」

「ふーん。電源落としてみるとか?」

「二度と動かなくなりそう」

「中古なの?」

「そういうわけじゃないんだけどね.......」



電源落とすって、死ぬしかないし、ね。

ループから抜け出したいとはいえ、さすがにそれは嫌だし。



「んー、じゃあ、違う選択肢選んでみるとか」

「え?」

「違う選択肢選んだら、意外と進むことあるよ」



........違う選択肢。

そんなの考えても見なかった。

だってとにかくあの日と同じにしなきゃいけないと、そう思ってたから。



でも、そうか。

違う選択肢を選んだら、何か変わるかもしれないのか。

確かに、今のやり取りだって、本来はなかった会話だし。



な、なんだろう。

違う選択肢って。

最初は、椿が好きな人をいるって知って、離れようとした。

離れる、って行動が間違ってるなら、近づく、とか?

近づくってどうやって?