今日は、近道して帰ろうか






「ハーーナっ」


「楓.......」



冬、間近の金曜日。

バッティングセンターの次の日。


もう5度目の同じ朝。

繰り返される同じ日に、私は頭がおかしくなりそうだった。



「どうしたー?元気ないぞー?

昨日は椿くんとデ・ェ・ト♡してたくせにっ」



会話は一言一句同じではないけど、似たようなことが繰り返されると、気づいたのは3度目の朝だっけ。



椿と一緒に帰るのを辞めると決めたあの日が、何度も何度も繰り返される。

まるで、悪夢のように。



一体これはなんなの?

私は夢の中なの?

本当に現実?



頭の中はずっとそんなことが駆け巡ってるけど、一日の流れはもう把握してるから、とりあえずその通りに過ごす。


どうしたら終わるんだろう。

この繰り返される日常は。

何かを変えればいいのかな。

何かを変えたら、元に戻れるの?



答えの出ない迷宮で、悶々とする私を置き去りにして時間は流れる。



「今日は、どこ行く?」



放課後になれば椿がやってきて、私はまた、椿と一緒に帰るのを辞める話をする。

これを繰り返すのも5回目だ。