彼のもとに来る案件は多種多様だ。決裁を仰ぎに来る文官も最初に所属と名前を名乗ってから案件の説明に入るが、今のところ被った者はいない。
ひと口に財務省と言っても、組織内には多くの部署が存在する。
それは、ミレッラが携わってきた領地経営とは何もかもが違っていて、少しずつ己の無謀さに気付き始めてしまい、だんだん緊張までしてくるほどになっていた。
「廊下で失礼いたします。副長官、次長が予算案について相談したいと仰っていまして……」
本当にひっきりなしなのねと、他人事なのに大丈夫なのかと心配してしまう。
しかも次長ということは、彼より上の立場の人間だ。そんな相手にも頼りにされているというのは、素直に尊敬する。
が、彼の答えはこれまでで最も素っ気なかった。
「それは俺の仕事じゃないと伝えておけ」
「えっ。わ、私がですか……?」
「それがおまえの仕事だろ?」
一刀両断された職員が涙目になっている。仮面越しでも彼の瞳の鋭さは伝わってきて、確かにこれは『鬼』と言われるのも納得だと乾いた笑みを浮かべてしまった。なんともかわいそうだが、ミレッラにできることはない。
ひと口に財務省と言っても、組織内には多くの部署が存在する。
それは、ミレッラが携わってきた領地経営とは何もかもが違っていて、少しずつ己の無謀さに気付き始めてしまい、だんだん緊張までしてくるほどになっていた。
「廊下で失礼いたします。副長官、次長が予算案について相談したいと仰っていまして……」
本当にひっきりなしなのねと、他人事なのに大丈夫なのかと心配してしまう。
しかも次長ということは、彼より上の立場の人間だ。そんな相手にも頼りにされているというのは、素直に尊敬する。
が、彼の答えはこれまでで最も素っ気なかった。
「それは俺の仕事じゃないと伝えておけ」
「えっ。わ、私がですか……?」
「それがおまえの仕事だろ?」
一刀両断された職員が涙目になっている。仮面越しでも彼の瞳の鋭さは伝わってきて、確かにこれは『鬼』と言われるのも納得だと乾いた笑みを浮かべてしまった。なんともかわいそうだが、ミレッラにできることはない。
