それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

「賭けの時以外は触るなと言われると思ったんだが」
「……じゃあ、触らないで」
「嫌だと言ったら?」
「言い出したのはあなたなのに」

 そう返すと、彼が喉を鳴らした。

「ミレッラ。あなたに用意したポストだが、もし気に入ってくれたら、俺に褒美をくれないか」
「協力するのが約束なのに、それ以上を欲しがるの?」
「ああ、俺は貪欲でね。目的のためなら積極的に仕掛けていくタイプだ」
「先に何を求めるか聞いても?」
「キス」
「……え?」

 もっと賭けに優位なことを要求されると思ったのに、そんなのでいいのかと拍子抜けしてしまう。

「本当にそんなのでいいの? 私たち、別に初めてでもないでしょ?」
「いいや。ミレッラからはまだない」
「私からするの?」
「ああ。当然、深いやつをな」