それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

「寂しくて死にそうなうさぎだな。だから関わらない選択肢はどちらにしてもない。迎えた妻を孤独死させるのは忍びないんでね」

 予想外な言葉が出てきて、ミレッラは口角をひくつかせた。
 寂しいなんて、今まで一度も感じたことはない。ないはずだ。

「残念だけど、見当外れよ」
「どうかな。ひとり遺されたのが寂しくて復讐に縋っている、かわいそうで哀れなうさぎにしか見えなかったが?」

 馬鹿にされたと思ってロランを睨む。

「あるいは、虚勢を張る一匹狼」

 対面のソファに座ると思ったロランが、隣に腰掛けてきた。

「ちょっと、なにっ」
「知っているか。一匹狼はな、何もかっこいいものじゃない。『一匹』とわざわざ付けられるほど、狼が群れの中にいないのは珍しいという表れだ」
「だから何よ。私は狼でもうさぎでもないわ。寂しいとも孤独だとも思ってない」
「自覚がない方がまずいんだよ」

 ロランの親指が目元をなぞっていく。