それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

「ありがとう! 私はどんな役割をもらえるのかしら? 全然下っ端でいいのだけど、できれば叔父の不正を暴けるような部署だと嬉しいわ」
「まったく、すごい変わりようだな。この婚姻自体はあなたの叔父の嫌がらせだろうが、あなたが大人しく俺のもとに嫁いできた理由がわかったよ。俺の立場を利用したかったんだな」
「何を言ってるの。確かにあなたの立場を歓迎したのは間違いないけど、さすがの私だって、婚姻は自分の意思で拒絶できないわよ?」

 すると、ロランが少しだけ不満そうな視線を流してくる。
「へえ」と何か言いたげに呟くので、ミレッラも負けじと睨んでやった。

「何よ」
「いや。つまりあなたは、相手が俺でなくても嫁いだのかと思って」
「そんなのあなただってそうでしょ? 私でなくても、後継者を産める女性なら誰でもよかったはずよ。現に私の前に、他の女性にも求婚していたんでしょう?」

 別に嫉妬とかではなく聞き及んだ話をそのまましただけなのだが、ロランが盛大に眉根を寄せて「何を言っている?」と本気でわからなそうな顔をしたので、ミレッラも困惑してしまった。

「誰からそんな話を聞いた?」