それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

「それで、この話を俺にした理由は?」
「ひとつは宣言しておきたかったから。私は、結婚したって自分の復讐のために生きるわよ」
「それで言うなら、俺は後継者さえつくれればなんでもいい」

 だろうなと思っていたので、ミレッラは意を決して続けた。

「それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう」

 本題はこちらだ。叔父の不正を暴いて、伯爵の地位から引きずり下ろす。そのためには、不正を暴いた後に適正に裁いてくれる第三者が必要だ。
 ミレッラがただ証拠を集め、叔父の不正を公にしたところで揉み消される可能性もあるが、信頼のおける第三者がいれば話は変わってくる。ロランはそのための役者だ。

「お互いに目的のために行動することを止めない決まりにするの。でも、さすがに子どもを授かれば自分の好きなように生きられないのもわかってるわ。だから私は、子どもを授かるまでは好きにさせてもらうけど、それ以降はしっかり妻として、母として、家族のために献身を捧げると誓いましょう」

 ただ。

「それでは旦那様だけが好条件だから、私の復讐に協力してもらうわ。よろしいわよね、財務省地方財政長官様?」