それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

「……今夜、メイクもしたのは?」

 ミレッラが問うと、ロランが挑発的に微笑んだ。

「だいたいの予想はついているんだろ? あなたは俺の想像以上に賢明で聡いから好ましいよ。悪いが、試させてもらった」

 まあそうよね、と内心で苦虫を噛みつぶしたような顔をする。
 仮面を外したのは彼自身だ。気になるのは、もしミレッラが彼の火傷の痕を見て拒絶していたらどうなっていたのだろうということ。
 疑問をそのままぶつけてみたら、彼が意味深長に口元を緩めた。

「そんなことより、続きといこうか。あなたは俺を拒絶せず、俺はあなたを殊の外気に入った。できればやることをやって逃がさないようにしたいんだが」

 不意打ちのように顔を寄せてきた彼が、首筋に舌を這わせる。自然な流れで肩からナイトドレスを脱がされそうになった時、ミレッラは慌てて制止をかけた。

「私の話がまだよ」
「野暮だと言った」

 抵抗も虚しく肌を晒され、反射的に胸とお腹の前に腕を持っていく。たった一枚の布がなくなっただけで、どうしてこんなに心許ない気持ちになるのだろう。