唾を飛ばす勢いで問い詰めると、カリーナが事の重大さをわかってなさそうな顔で頷いた。
「持っていったわよ。だって、スヴェンが仕事で使うと言うから」
「……っ!?」
「なによ、お父様。なんでそんな、顔を青くしているの? だってスヴェンは、ただの帳簿だって……私も見たけど、本当にただ数字や商品名が書かれていただけだったのよ?」
「おまえはっ……おまえはなんてことをしてくれたんだ……!」
パシンッとカリーナの頬を叩く。
あんなに贅沢をさせてやったというのに、まさかこんな風に恩を仇で返されるとは思ってもみなかった。
散財癖と男にだらしないところが母親似だと思っていたが、馬鹿なところも母親似で頭が痛い。
「な、んで……っなんでリーナが叩かれなくちゃいけないの!?」
「――それは、あなたが持ちだしたものが、伯爵の犯罪を決定づける確固たる証拠だったからだ。カリーナ・グランベル」
舞踏の間の開いた扉から悠然たる様子で入場してきたのは、先ほどまで自分を追い詰めていた男、ロランだった。
彼の登場に場がざわめく。その他者を屈服させるような威圧感は、この会場にいる彼の同年代にはない風格だ。
「持っていったわよ。だって、スヴェンが仕事で使うと言うから」
「……っ!?」
「なによ、お父様。なんでそんな、顔を青くしているの? だってスヴェンは、ただの帳簿だって……私も見たけど、本当にただ数字や商品名が書かれていただけだったのよ?」
「おまえはっ……おまえはなんてことをしてくれたんだ……!」
パシンッとカリーナの頬を叩く。
あんなに贅沢をさせてやったというのに、まさかこんな風に恩を仇で返されるとは思ってもみなかった。
散財癖と男にだらしないところが母親似だと思っていたが、馬鹿なところも母親似で頭が痛い。
「な、んで……っなんでリーナが叩かれなくちゃいけないの!?」
「――それは、あなたが持ちだしたものが、伯爵の犯罪を決定づける確固たる証拠だったからだ。カリーナ・グランベル」
舞踏の間の開いた扉から悠然たる様子で入場してきたのは、先ほどまで自分を追い詰めていた男、ロランだった。
彼の登場に場がざわめく。その他者を屈服させるような威圧感は、この会場にいる彼の同年代にはない風格だ。
