それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

 何より、どんな理由であれ、エーゲハルトはミレッラが選んだ男だ。
 そんな彼が自分に夢中な姿を見るたびに、優越感に浸れるのはこの上ない陶酔感を味わわせてくれる。これには魔薬のような中毒性があり、あの女よりも自分の方が上なのだと実感できるのがいい。

(エーゲハルトで自尊心を満たして、女の欲はスヴェンに満たしてもらって――ふふ、最っ高)

 やはり父に協力してよかったと、カリーナはにんまりと口端を上げた。
 ミレッラの両親は事故で死んだと聞いているけれど、葬式では「よく死んでくれたわ」と拍手を送りたくなったものだ。
 その後、父からミレッラの思惑を聞かされ、エーゲハルトを誘惑できないかと相談を受けた時は正直に言って気が乗らなかった。
 が、いつまでもつれないスヴェンに嫉妬させられるかもしれないと思い立ち、引き受けた。
 さすがに自分の抱いている女に婚約者ができれば、あのスヴェンも少しは動揺するのではないかと考えたからだ。
 スヴェンはただの使用人だが、顔といい身体といい、カリーナの好みど真ん中だった。