それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

 国会が開く社交シーズン中は、毎晩のように夜会などが催されるが、昼間も各種パーティーが開かれることがある。
 ガーデンパーティーだったり、特定の何かを目的とした交流会だったり。
 今日カリーナが招待を受けたのは、第一王子主催の交流会で、エスコートはもちろんエーゲハルトだ。彼とは会場の前で待ち合わせをしている。
 十代後半から二十代までの令息令嬢のみが招待されたこの会は、国の未来を担う若者たちの意見交流の場として用意された。
 といっても、未婚の令息令嬢にとっては、将来のパートナーとの出会いの場でもある。
 カリーナは従姉のミレッラからエーゲハルトを奪ったが、彼と本当に結婚するかはまだ悩み中だ。だからカリーナにとっても、出会いの場として機能する。
 エーゲハルトはカリーナに夢中で、純潔を奪ったからには責任をとると迫ってくるけれど、正直に言って顔が好みではない。
 閨の相性もそこまでいいわけではなく、「どうせならもっといい男を連れてきてくれればよかったのに」とミレッラへのフラストレーションが溜まっていくばかりだった。
 それでも、エーゲハルトにもいいところがまったくないわけではない。
 彼はカリーナに夢中であるため、わがままをなんでも聞いてくれる。
 しかも盲信するように、カリーナの浮気を疑ってもいない。おかげで好みの男と遊んでも気づかれる気配はなく、これなら結婚後もいろんな男と楽しめそうだという期待がある。