それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

「だが、最初はただの同情のつもりだったのに、あなたは俺の怪我(メイク)をまったく恐れないし、ただのかよわいご令嬢でもないし、なんなら容赦なく俺を利用してきて、笑ったり怒ったり、くるくると変わる表情や予想外な行動をするところに、いつのまにか目を離せなくなっていたんだ」

 瞼を伏せるようして、彼が微笑む。
 何もかも知られていたという羞恥心と、最初から見ていてくれたんだという気恥ずかしさで、頬に熱が灯る。

「けど、俺はあっという間にあなたに惹かれていったが、あなたの方はそうじゃない。爵位を取り返すことに夢中で、そんなあなたを口説いたところで拒絶されるのは目に見えていた」

 確かに、最初からロランがそういうスタンスだったら、ミレッラの心は閉ざされていただろう。身勝手かもしれないが、こっちは目標のために忙しいのだから邪魔しないで、と突き放していたかもしれない。

「だから賭けを利用して、まずはあなたの身体から堕とそうと思った」
「かっ……え!?」
「もうこの際だ。本当に包み隠さず話させてもらうぞ」