それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

「ぐっ……」

 好きな人と両想いになれて、初めて感じるこの多幸感を抱いたまま触れ合いたいと思っているのは、自分だけなのだろうか。

「やめてくれ。頼むから今は惑わせないでくれ……」

 ミレッラは唇を尖らせる。賭けは賭けとして、好きな人と繋がってみたいと思うのが普通なのではないのか。
 それなのにロランは、頑なにミレッラを止めてくる。

「なんでだめなのか、理由を言ってくれる? じゃないと私もやめないわ」
「ミレッラっ」

 続きを始めようとするミレッラの両肩を掴み、彼が観念したように叫んだ。

「今日は避妊薬を飲んでないんだっ」
「…………え?」

 ちょっと言葉の意味が咀嚼できずに、ミレッラは思考を停止させた。
 一応ここに来る前にミレッラは避妊薬を飲んでいるが、おそらくそういう話ではないのだろう。

「わかった。ここまできたら全て白状する。だからいったんベッドから下りよう。最初の頃から思っていたが、あなたは魔性すぎる。このままここで話すのはいろんな意味で危険だ」
「ましょう……?」