(問題は、件の商人に安易に近づくと、また叔父様に私の企みを勘付かれてしまうことね。帰ってこない人たちを捜しだすにも、人手が足りないし……)
そもそも、帰ってこない人たちが叔父のせいだとはまだ決めつけられない。状況証拠すら少ない今は。
となると、叔父を追い詰められる最適な証拠は、架空取引の帳簿あたりだろう。
(おそらくそれは、商人も叔父様も、各々持っていると思うけれど……)
互いに相手に裏切られることを危惧して、共犯である証拠はそれぞれ持っているはずだ。
叔父から攻めるか、商人から攻めるか。
いずれにしても、今のままでは家宅捜索すらできない。
犯罪を立証できる決定的な証拠を探すため、まずは彼らの家等を捜査するために必要な証拠などを集めなければならないだろう。
(やることは山積みよ。……ロランのことは、その後に考えればいいわ)
しかし、そう思っていたミレッラに、予期せぬ事態が発生した。
*
「し、失礼します、奥様」
仕事を終えてロランと共に屋敷に帰り、一緒に夕食をとったミレッラは、その後自分の部屋でいつものように入浴を手伝ってくれるセレナを待っていた。
結婚してからは体調不良でない限り毎晩彼と過ごしていたので、もはや習慣のようになっている。
はたしてセレナは部屋にやって来たが、胸の前で両手をもじもじとさせる彼女は珍しく、ミレッラは頭上に疑問符を浮かべた。
そもそも、帰ってこない人たちが叔父のせいだとはまだ決めつけられない。状況証拠すら少ない今は。
となると、叔父を追い詰められる最適な証拠は、架空取引の帳簿あたりだろう。
(おそらくそれは、商人も叔父様も、各々持っていると思うけれど……)
互いに相手に裏切られることを危惧して、共犯である証拠はそれぞれ持っているはずだ。
叔父から攻めるか、商人から攻めるか。
いずれにしても、今のままでは家宅捜索すらできない。
犯罪を立証できる決定的な証拠を探すため、まずは彼らの家等を捜査するために必要な証拠などを集めなければならないだろう。
(やることは山積みよ。……ロランのことは、その後に考えればいいわ)
しかし、そう思っていたミレッラに、予期せぬ事態が発生した。
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「し、失礼します、奥様」
仕事を終えてロランと共に屋敷に帰り、一緒に夕食をとったミレッラは、その後自分の部屋でいつものように入浴を手伝ってくれるセレナを待っていた。
結婚してからは体調不良でない限り毎晩彼と過ごしていたので、もはや習慣のようになっている。
はたしてセレナは部屋にやって来たが、胸の前で両手をもじもじとさせる彼女は珍しく、ミレッラは頭上に疑問符を浮かべた。
