(でもロランは、報告書の違和感に気付いていた……。あの人、人の顔と名前は覚えないのに、仕事のことは覚えてるのって不思議だわ)
一応補佐官として置いてもらっている以上、それらしい振る舞いをしているが、その時に目の当たりにする彼の仕事ぶりは舌を巻くものだった。
彼が財務省で恐れられているのは、仮面よりも、その的確で鋭い指摘と、妥協を許さない姿勢からだろうと思う。
相手へ配慮した話し方を一切しないので、みんな借りてきた猫のように大人しくなってしまうのだ。
(不器用な人ね)
ロランの指摘は全て正しい。そしてなぜ相手が間違ってしまったのか、なぜそんなミスに至ったのか、彼はちゃんと相手側の話を聞き取った上で説明している。
それは同じ間違いをしないようにという親切心からのはずなのに、その心が相手に一切伝わっていないのがもどかしかった。
ただミスを怒るだけの人ではないのに、仮面と無表情のセットによる威圧感のせいで、そういう印象しか持たれていないのが悔しい。
(って、ロランのことを考えてる場合じゃないのよっ。叔父様が脱税しているのはわかったけど、問題は証拠。それを探さないと。それに、やってるのは脱税だけじゃないはずよ)
現時点で、叔父が犯していると思われる罪は三つある。
一応補佐官として置いてもらっている以上、それらしい振る舞いをしているが、その時に目の当たりにする彼の仕事ぶりは舌を巻くものだった。
彼が財務省で恐れられているのは、仮面よりも、その的確で鋭い指摘と、妥協を許さない姿勢からだろうと思う。
相手へ配慮した話し方を一切しないので、みんな借りてきた猫のように大人しくなってしまうのだ。
(不器用な人ね)
ロランの指摘は全て正しい。そしてなぜ相手が間違ってしまったのか、なぜそんなミスに至ったのか、彼はちゃんと相手側の話を聞き取った上で説明している。
それは同じ間違いをしないようにという親切心からのはずなのに、その心が相手に一切伝わっていないのがもどかしかった。
ただミスを怒るだけの人ではないのに、仮面と無表情のセットによる威圧感のせいで、そういう印象しか持たれていないのが悔しい。
(って、ロランのことを考えてる場合じゃないのよっ。叔父様が脱税しているのはわかったけど、問題は証拠。それを探さないと。それに、やってるのは脱税だけじゃないはずよ)
現時点で、叔父が犯していると思われる罪は三つある。
