知らなかった。同じ言葉でも、行動でも、それが誰のものかで自分に与える影響がこうも変わってしまうなんて。
好きな人ができると世界が変わるなんて一文がどこかの恋愛小説に書いてあった気がするけれど、そんな簡単に世界が変わるわけないじゃないと反発心を持っていたのが、恥ずかしいくらいだ。
同時に、ロランに対して芽吹き始めた想いを、もう誤魔化しきれないのだと悟ってしまった。
いい加減不毛な恋をしている自覚を持てと、頭の中の冷静な自分が囁く。
「……今日は、気分転換と、あの件に関わりのある商人行きつけの店で、その本人を確認するために出掛けたの」
ミレッラは順を追って説明していった。
その問題の店――カフェに行く途中で暴漢に絡まれていたあの青年を見かけたこと。
ミレッラたちも暴漢の標的になってしまい、青年と一緒に逃げたこと。
大勢のいる店の中なら暴漢も追ってこないだろうと考え、あのカフェに入ったこと。
入ったからには飲食をしないわけにもいかず、暴漢をやり過ごすためにも少し休憩していたこと。
青年が何者で、どんな事情を抱えていそうかは話さなかった。そこまで話す必要性が感じられなかったし、勝手に話すのも気が引けたからだ。
好きな人ができると世界が変わるなんて一文がどこかの恋愛小説に書いてあった気がするけれど、そんな簡単に世界が変わるわけないじゃないと反発心を持っていたのが、恥ずかしいくらいだ。
同時に、ロランに対して芽吹き始めた想いを、もう誤魔化しきれないのだと悟ってしまった。
いい加減不毛な恋をしている自覚を持てと、頭の中の冷静な自分が囁く。
「……今日は、気分転換と、あの件に関わりのある商人行きつけの店で、その本人を確認するために出掛けたの」
ミレッラは順を追って説明していった。
その問題の店――カフェに行く途中で暴漢に絡まれていたあの青年を見かけたこと。
ミレッラたちも暴漢の標的になってしまい、青年と一緒に逃げたこと。
大勢のいる店の中なら暴漢も追ってこないだろうと考え、あのカフェに入ったこと。
入ったからには飲食をしないわけにもいかず、暴漢をやり過ごすためにも少し休憩していたこと。
青年が何者で、どんな事情を抱えていそうかは話さなかった。そこまで話す必要性が感じられなかったし、勝手に話すのも気が引けたからだ。
