それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

 続けざまに他のふたりにも同じ攻撃を食らわせようとしたけれど、さすがに学習したのか、先手必勝とばかりに向かってきたのでひょいと避けながら足を引っかける。

(単調すぎて避けやすいこと)

 おかげで囲まれていた青年を助けだしやすくなった。ミレッラの活躍に目を点にしている彼の腕を引っ張り、セレナの腕も掴んで駆けだした。
 街歩き用に身軽なドレスを着てきてよかったと思いながらメインストリートに戻れば、ホッと胸を撫で下ろす。さすがに人通りの多いここまで追ってはこないだろう。
 しかしまだ完全には油断せず、目的のカフェへと向かう。店の中に入ってしまえば、もうこっちのものだ。

「いらっしゃいませ」
「三人なのだけど、奥の席が空いていたら奥がいいわ」
「申し訳ございません。ただいま奥側のお席は満席です。あちらのお席はいかがでしょうか?」

 示された席は、店内の中央あたりにあった。窓から見えなくもない位置だが、窓際よりはマシだろう。

「大丈夫です」
「ではご案内いたします」

 若干息を切らしている三人組を不思議そうに眺めながらも、店員はプロの接客で席まで案内してくれる。