それでは旦那様、私と賭けをいたしましょう

 彼と身体を重ねるのは、いまだに慣れない。

「ミレッラ」
「な、に」

 身体を揺さぶられながら、仮面をしていない彼を見上げる。眉根を寄せて額から汗が伝う姿は、何度見ても色っぽい。

「ミレッラ、随分と、老いぼれどもにかわいがられているようだな」
「っ、え?」
「俺より仲良くなってるだろ」

 もしかしてお菓子のことを言っているのだろうかと確認しようとしたのに、彼が口を塞ぐようにキスをしてきたので何も言えなくなる。
 二人の舌が絡み合う。瞼を上げると、ロランと目が合った。

「俺の妻は人たらしだったらしい」

 彼が責めるように笑う。反論しようにもいまだに彼に口内を弄ばれているせいで、言葉にならない音だけが喉を通っていく。

「まあ、あなたが人たらしだろうとなんだろうと、別に構わない。この姿を拝めるのは、俺だけの特権なんだから。――そうだろう? ミレッラ」