ずるい。 普段は無口なのに、こんなときだけ私のことちゃんと見てる。 涙がこぼれそうになって、マフラーで隠しながら言った。 「……陽斗のそういうところ、ずるい。」 ようやく彼が私の方を見た。 目の奥、少し笑っていた。 「じゃあ…今日だけ。俺と一緒にいてほしい。」 「……今日だけ?」 「今言ったら、卑怯だろ。」