見上げた先の幸せ

怖かった。玄関の扉1枚を超えてしまったらもう二度とここに来ることは出来ないんじゃないかって怖かった。
でも隣にいる幸樹さんを見ると不思議と安心出来た。

「おじいさーん、真斗目覚ましたので連れてきましたよ」

〝真斗!!!!〟

幸樹さんの一声で家中から俺の声が呼ばれて、家中からいろんな人が玄関に向かって走ってきた。

みんなどことなく父さんの面影を感じる顔をしていて、気づいた時には泣いていた。

「ごめん、ごめんなさい。父さんと母さんはおれのせいで」

俺の一言でその場は静まり返った。
少しして、真希おばさんに似ている人が俺に向かって歩いてきて俺を抱きしめた。

「真斗、あんたは何も悪ないよ。誰もあんたのせいでなんて思っとらんよ?大丈夫だよ」
「…っありがとう」