見上げた先の幸せ

「今日の診察、伊藤くんだけだから時間かかっても大丈夫だからね。」
「え、俺だけですか?」
「うん。今日はじっくり話聞きたくてね」
「…そうですか」

俺はこれからこの人に全て話すのか。

「じゃあ診察室行こっか」
「はい」

広い診察室。壁一面の本棚はカルテ的なやつだろうか。

「うーん、何から聞こうかな、あそうだ今一人暮らし?」
「はい」
「そっか、その歳で一人暮らしか。かっこいいね」
「…そうですか」

この人の空気にいつも喰われてしまう。