(そうだった、他の参加者の分も用意しないといけなかったわ)
まだまだ知らないことがあることを痛感しながら、アメリアはベッドに転がった。
前世に比べて少しずつ成長をしているとは思うのに、それでもまだまだ足りないことにショックを受ける。今世では頑張って色々動き始めているが、それでもまだ公爵夫人には相応しくないだろう。
(確かに、こんな妻は嫌に決まってるわよね)
前世での自分を思い出し、思わずため息が出ると同時に羞恥心が襲ってきた。
いくら取り繕っても中身が伴っていなければボロは出る。自分が気づいていなかった過ちをウィリアムはカバーしてくれていたのだろう、それに気づいていなかった自分が恥ずかしい。こんな妻に対して愛を持って接しろというほうが難しいだろうし、今となっては彼に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
実際、ウィリアムはその辺りは気にしていない。彼は妻という人間が欲しかっただけで、アメリアに愛を求めることもなければ立派な公爵夫人になってほしいとも思っていないのだ。仕事や今後のことを考え、さらに父親からの何度も言われた「家庭を持て」という言葉に嫌気が差して面倒にならない女性と結婚をしただけである。その“面倒”にならない女性がたまたまアメリアなだけだった。
「……とにかく、今はお茶会を乗り越えないと」
考えるだけで気が重くなることだが、前世で言われたドレスや手土産に関してはこれで問題は無くなった。あとは、当日を乗り越えればいい。
悪い方向に進みませんように、と願いながらベッドから起き上がって、気分を上げるためにも小説を書き進めることにした。


