その後、アメリアは部屋に戻ってぼんやりと考えた。今までウィリアムがアメリアを気にかけたことは前世も含めて一度もない。それなのに、今世では変わって初めて気にかけてもらった。
(私が行動したから、彼も変わってきたということ……?)
例えそうだとしても、アメリアはあまり実感が湧いていなかった。前世での彼を思い出せば、今日の彼はまるで別人のようだった。違和感を感じつつも、アメリアは深く考えれば考えるほど頭が混乱していた。彼の言動が初めてのことで戸惑いが隠せないのであった。
そっとリリーの方を見れば少しソワソワとした様子だった。どうかしたのかとアメリアが聞けば、リリーは待ってましたと言わんばかりに口を開いた。
「だって旦那様が声をかけたんですよ、しかも奥様に! 初めてのことではありませんか!」
リリーは興奮気味に話しているが、その様子を見たアメリアはどこか冷めたような、冷静な状態だった。確かにウィリアムはアメリアに話かけたが、そこまで興奮するようなことではない。彼が珍しいことをした、ということに間違いはないが、たまたまだと言われればたまたまの出来事だろう。
引き続き、リリーは興奮気味に「もしかしたら奥様のことが気になり始めているのかもしれません」と言った。
「まさか。そんなことありえないわよ」
「ですがあの旦那様が、ですよ? もしかしたら今後は何か変わっていくかもしれないじゃないですか」
アメリアはあまり否定をするのも良くないと考え苦笑いをしたが、心の中では絶対にありえない、と断言した。
倒れた時も、病気と診断された時も、死に際になっても訪れなかった彼が自分に興味を抱くわけがない。仮にも自分の妻が死んでしまうというのに何もしてくれなかった夫に何も期待などできない。
(期待をするだけ、無駄よ)
(私が行動したから、彼も変わってきたということ……?)
例えそうだとしても、アメリアはあまり実感が湧いていなかった。前世での彼を思い出せば、今日の彼はまるで別人のようだった。違和感を感じつつも、アメリアは深く考えれば考えるほど頭が混乱していた。彼の言動が初めてのことで戸惑いが隠せないのであった。
そっとリリーの方を見れば少しソワソワとした様子だった。どうかしたのかとアメリアが聞けば、リリーは待ってましたと言わんばかりに口を開いた。
「だって旦那様が声をかけたんですよ、しかも奥様に! 初めてのことではありませんか!」
リリーは興奮気味に話しているが、その様子を見たアメリアはどこか冷めたような、冷静な状態だった。確かにウィリアムはアメリアに話かけたが、そこまで興奮するようなことではない。彼が珍しいことをした、ということに間違いはないが、たまたまだと言われればたまたまの出来事だろう。
引き続き、リリーは興奮気味に「もしかしたら奥様のことが気になり始めているのかもしれません」と言った。
「まさか。そんなことありえないわよ」
「ですがあの旦那様が、ですよ? もしかしたら今後は何か変わっていくかもしれないじゃないですか」
アメリアはあまり否定をするのも良くないと考え苦笑いをしたが、心の中では絶対にありえない、と断言した。
倒れた時も、病気と診断された時も、死に際になっても訪れなかった彼が自分に興味を抱くわけがない。仮にも自分の妻が死んでしまうというのに何もしてくれなかった夫に何も期待などできない。
(期待をするだけ、無駄よ)


