色々と考えた結果、他のどの令嬢と比べてもブラウン伯爵の娘が一番良いという結論に至った。
政略結婚なら、相手も私に大きな興味を示さないだろう。
『初めまして。ブラウン家のアメリアと申します。よろしくお願いします』
『……あぁ』
初めて彼女に会った時の印象は“普通の貴族の娘”だった。
可もなく不可もなく、貴族らしく丁寧な挨拶と綺麗なドレスを身にまとい、苦労を知らない手が見えた。だが、伯爵という爵位をもつ家の娘にしては少し見窄らしいとも思った。やはり、彼女はあまり家族に愛されてこなかったのだろう。
この家ではそこまでの不自由をしてほしくないとは思う。かといって、彼女と仲良くする気も話したいことも特にない。
「わかった、何冊か小説を注文しておこう。また何かあれば伝えて欲しいことも言ってくれ」
「かしこまりました」
リリーは一礼をしてから、ウィリアムの執務室を去った。
(……まあ、彼女は俺にそこまで関係ない)
ウィリアムは考えを消し、自分の仕事に集中した。


