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 そもそも、政略結婚に至った鬼族側の当時の事情としては、
 長く続いた戦によって荒廃した土地になり果て、
 民の蓄積された疲労、戦災孤児の増加など課題が山積みしていた。

 相対する
 龍族の永久国は、肥沃な土地に豊富な水資源は鬼族とっては、妥協さざる得ない状況下にあった。


 龍族側には龍王の証である龍玉の眼の王族は5代前の帝以降、生まれてこなかった。

 その悲願の中、

 隣国の縁国の鬼王の王族に、龍王の証である龍玉の眼を持った女児が生まれてしまった。

 何故、龍玉の眼が鬼族の王の血筋に出現してしまったかというと、

 鬼王の祖母の祖国は永久国の公爵令嬢だった為、龍王の血縁者であった龍玉の眼の御子が生まれてもおかしくない事態であった。


 鬼王の次代の王女に覚醒遺伝として、龍王の証を持って生まれた事を知った龍族の元老院が政略結婚を画策した。


 されど、

 悲願の龍王の証を持った龍玉の目を持って御子が生まれる予定がない事が、
 王妃の仮面を見ればわかる事実だった。