こちらに向かって来る男は若干焦げている。
 防御に失敗した様なのは、見て取れる。

 目前に到着するなり膝を掴みゼエゼエと、屈んだ状態のまま息を切らし続けている。
 蜜色の金髪のアシンメトリーの髪型に碧眼。
 タレ目に、涙黒子。

 甘いマスクが印象的な美青年だ。
 龍王の次男であり、
 龍王の2番目の王子になる。
 名前は、ミシェルと言う。
 そして、身体の弱い長男を差し置き次期王太子候補とみなされている。
 
 ガタイは龍王に似ているが顔立ちは、母親に似ている。
 第二王子の母は、筆頭公爵家出であり実家の発言権も強い。

 が、正妃が龍玉眼の継承する王子を出産する迄の候補とみなされているので、継承権はまだ未定なのが現実であった。

 実力主義の一族なので、現龍王も20番目に生まれた王子だった。

 30秒ほど待ったが、
 まだ息を切らした状況のままなので、皆一様に第二王子を放置して
 先程の魔弾ノックに対する理論的な説明を、三男の王子は説明していた。

 空のを舞い白いの鳥が旋回して舞う様に飛んでくる。
 王妃は手を差し伸べると、鳥は王妃の指先に舞い降りと瞬間に鳥は弾けて文に変わる。
 王妃は目を通すと、
 「所用ができたと三男に説明し、次男にも関わる問題なので次男のミシェルの襟首を掴み引き寄せると転移魔術を無詠唱で構成し一瞬で消える。
 王妃が無詠唱魔術なのは、視線魔術の特異体質であった。