この物語の舞台、

 永久縁国(とわえにしこく)。

 両国が王の婚姻により、2人の王に統治されることとなった。

 以前の国境沿いに背中合わせに聳え立つ、


 白い大理石の龍王の城

 黒い大理石の鬼王の城が鎮座している。


 俗に言う、政略結婚による婚姻であった。




 王の謁見の間。


 玉座がふたつあり、

 玉座を分つようにこの広間は、左右真っ二つに白と黒の巨城の中央に位置する。

 二つの玉座の

 黒い玉座は、白い大理石の上。

白い玉座は、黒い大理石の上に置かれており、

 現在、白い玉座の上には鬼の王、龍王の王妃が鎮座し謁見の対応をそつなくこなしていた。



 鬼の王であり龍王の王妃の容姿は、

 波打つ腰まで届く黒髪に、褐色の肌、
 顔立ちは鼻先まで上半分が目元が仮面に覆わられ、 黄金の眼差しが仮面の隙間から剣呑な眼差しが光に反射して煌めく。

 本日最後の客人が謁見の間を退出した後に、王妃は小さなため息を吐いた。


 鬼族の貴族の慣習では、仮面は処女の証である。
仮面をつけたままの王妃は悠に百年ほど長い間、白い結婚であることを皆に知らしめていた。