百年越しの求愛譚

 メイドの視線の先に気づく龍王。
「ん、処理してくれる?」
 冗談混じりで、問いかける。
「そう言う事は、寵姫様にお願い致します。」
 メイドを扮した王妃は側室を指して断る。
「私にとっての寵姫は、あなただ」
 ずいとメイドの顔に手を添え、唇を親指で触れる。
「側室の方にお願いしたらいいじゃないですか?」
「今、ここに妃達はいないだろ。
 この城のメイドなら、王様に使えるも同意だろ」
「私は王妃様付きのメイドです」
「ならば、今すぐ既成事実作って妃にしてやろう」 
 龍王は、先ほどの約束を保護にし、メイドに詰め寄ってくる。
 にじりにじりメイドを扮した王妃は、龍王から距離をとるが追い詰められる。
 
 小さくメイドに扮した王妃はため息つくと、
「じゃあ、そのお手伝いしたら帰らせてくれるんですね!」
 苦し紛れに、龍王の提案を、メイドに扮した王妃は飲むことになった。