夏と先生と初恋。


口じゃ涼には敵わないから、


大人しく話題を変えられておく。



「…ったく、すっかりお気に入りじゃねーか」



ぼそりと涼が何かをつぶやいた。



「え?なんて?」



「や、俺も頑張んねーとなって」



頑張る?


いや、さすがに頑張るの言葉の意味はわかるんだけど。


唐突すぎない?



「がんばれ?」



「んー、さんきゅ」



明らかに返事雑じゃない?



「じゃ、俺帰るわ」



涼は気怠げに大きなあくびをする。



「え?練習しないの?」



頑張るって言ったばっかなのに。


頑張る、って部活のことじゃないのかな。



「今日オフじゃん。


俺、休む時は休む主義なんで」



頑張る、は部活のことではなかったみたいで、


涼はあっさり帰ってしまった。




✳︎ ✳︎ ✳︎




「あ、ひまり先輩、藤木先生見てませんか?」



藤木先生と話してから、


三日くらいたった頃の部活終わり。