夏と先生と初恋。


「…ありがと、沙耶。


ちゃんと自分で考えてみる」



沙耶がわたしのソロを聞きたいと言ってくれるのは


すごく嬉しい。


すごく嬉しいはずなのに、


わたしの心はまだ迷ったまま。


わたしは、ちゃんと答えを出せるのかな。



「沙耶ー、自由曲一緒にやんないー?」



沙耶と同じフルートを吹く2年生が沙耶を読んだ。



「あっ、ごめん、いま…」


「わたしは大丈夫。行きなよ、沙耶」



迷うわたしに気をつかってか、


断ろうとした沙耶を止めて、その子の元へ送り出す。



「ひま…?」



心配そうにこちらを見ながらも、


フルートを持って教室から出ていく沙耶。


それに、これはちゃんと自分で


決めなきゃいけないことだと思う。


沙耶に背中を押してもらいすぎたら、


また失敗したときに、


全部、沙耶のせいにしてしまいそうだから。


…どうしたらいいんだろうな。