「がんばれ、ひまりちゃん。 大変なこともきっとたくさんあるけど、 ひまりちゃんたちなら、 乗り越えてくれるって信じてる」 ふわっと吹き込んだ春の風。 その風に背中を押されるような気がした。 「絶対、絶対、希空先輩たちの夢も叶えます」 「うん。任せたよ、 ———-ひまり」 この日、わたしたちは楓ヶ丘高校吹奏楽部、 第30期幹部として、先輩たちの役目を引き継いだ。